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多発性嚢胞腎が原疾患で透析に入って25年です。

by マーゴ

横尾忠則の隠居宣言

たまたま、TVのチャンネルを移動していたら、
「知るを楽しむ」の再放送で横尾忠則が出ていた。
4回放送分の3回目と4回目を観た。

かって横尾忠則と宇野亜喜良はグラフィックデザイナー、
イラストレーターとして一世風靡していた。

横尾忠則は宣言することが好きなようで、
グラフィックデザイナーを辞めて、画家になる宣言をしていた。
そして、どんな絵を描くのかに注目していたら
子供に絵を教えている映像がTVに写し出されていたのを
見たとき、なんか安直な気がして、そのまま長い間
消息を知らなかった。

いつかY字路を描いているようなことを言っていたような。

現在、72歳で70歳のとき、隠居宣言をしたのだと。
で、TVの「知るを楽しむ」では
グラフィックデザイナーを辞める発言をした途端に
仕事の依頼が全然なくなった、と。
当然と言えば当然な話ですが。
しかし、絵は全然描けなかったそうです。
何を描いたら良いのか、解らなかったのだとのこと。
画家と言うのは、哲学がないと絵が描けないのだそうです。

コピーライターと作家も同じことなのかもしれない。

画家になる宣言したものの、
何年も絵が描けなくて苦しんだそうです。

あるとき、兵庫県西脇市に帰郷して
昔あった大好きな模型屋のあった場所が、
丁度、Y字路のYの字の角ッコにあったそうで、
いまは、もうなくなっているけれど、
横尾忠則には、強烈な印象を与えた。
そのY字路が横尾忠則の絵のテーマになったそうです。
全国のY字路を見て歩いて、描いているそうですが、
単なる写生ではなく、横尾忠則のY字路で、
Y字路の奥にはローマの街が描かれていたりするのです。

画家が何を想い、何を感じて絵を描いたいのか、解りません。
でも、今を生きている、画家の横尾忠則は
自己顕示欲の強い人だから、画家としての生き方を余すことなく
伝えようとしています。
70歳で隠居宣言をしたのですが、
隠居と言うのは、
肉体に素直になること。
つまり、精神は捨てるのだそうです。
精神は、痛くても、痛くないと言ってしまうけれど、
70歳になったのだから、もう、肉体が嫌だと言っているときは
嫌なことはしないのだそうです。
次には、少年の心になること。

と、いうことで、現在は、
公開paintingを精力的に取組んでいます。
曰く、考えて描く絵はろくなものができない。
公開paintingでは、後ろで見ている人達が何を描くのだろうか、とか、
色んな思いが、矢のように背中に突き刺さってくる。
兎に角、手が何かを描かなければならない。
もう、後ろで見ている人の思いで、
手が勝手に動いてしまうところまで行ってしまう、と。
緊張感で絵がどんどん描けるのだそうです。
頭は何にも考えてないそうです。
そう言えば、棟方志功も、手が勝手に描くんですよと、
絵を描きながら、言ってたなぁ。

私の場合も、現役のコピーライターで滅茶苦茶仕事していたとき、
文字が勝手に鉛筆の先から出てくるような
感覚になっていたときがあったなあ。

横尾忠則は、
名付けてPublic Costume-Play Performance Paintig(PCPPP)
そのときどきにいろんなコスプレをして
公開paintingをしているそうです。

絵は完成するかどうかは解らない。
未完のまま完成ということもあるそうです。
描いた後は、見物人とのやりとりもあります。
面白そうですね。

ところで、同時代に活躍していた宇野亜喜良は
挿し絵画家になってました。
オスカー・ワイルドの「サロメ」の挿し絵は
ヴィアズレーが有名ですが、宇野亜喜良も描いていました。
横尾忠則の隠居宣言_d0107378_22444068.jpg

↑ヴィアズレー
横尾忠則の隠居宣言_d0107378_2256464.jpg

↑宇野亜喜良

私は、日夏耿之介訳・ヴィアズレー挿画の「サロメ」を
昔、ウチにいた若いデザイナーに借りて読みました。
それまでに読んでいた現代口語訳の「サロメ」とは大違いで
日夏耿之介訳のほうが「サロメ」らしく、
ヴィアズレーの絵もぴったり。
でも、絶版で、古本屋巡りしても入手できませんでした。

そうそう、今日は私の誕生日。
1人で、Happy Birthdayを歌って、
ケーキを1/3ほど食べて、残りは同居人に。
太るから控え目に。。。。。。
by noblesse_oblige7 | 2009-01-21 22:47 | etc.etc.