人気ブログランキング | 話題のタグを見る

多発性嚢胞腎が原疾患で透析に入って25年です。

by マーゴ

かぎろひ

東の 野にかぎろひの 立つ見えて
かへり見すれば 月傾ぶきぬ
              
柿本朝臣人麿の有名な歌です。
もう何年も前、まだ透析をしていなかった頃、
奈良、大宇陀、阿騎野で、旧暦11月17日の
早朝に「かぎろひを見る会」に参加した。
今年の旧暦11月17日は新暦でいつなのかは解らないけれど、
今頃だ。
前日から泊りがけで参加した。
その頃の解釈では、かぎろひは陽炎と解釈されていた。
単なる自然描写の歌として訳されていた。
梅原猛が、この歌の解釈で
阿騎野に軽皇子と狩りに来て、野営した早朝に詠んだ歌として、
かぎろひは太陽が出る直前の光線スペクトル現象で、
太陽は軽皇子で月は草壁皇子のことを詠んだと歌だと解釈していた。
その頃は梅原に没頭していて、出る本出る本を読み、
全部読み尽くしていたけれど、後に出た全集も買い揃えるという
熱狂ぶりだった。
ところが、脳死移植臨調の委員に選ばれ
古代の殯(もがり)の風習まで例を引き
脳死を認めない論を繰り広げました。
脳死移植が進まないのは、この影響も少なからずあるのではなかと
感じました。
以来、梅原猛の熱狂ファンは終了してしまいました(余談です)。

肝腎の「かぎろひ」ですが、
自然が相手ですから、なかなか「かぎろひ」を見ることが出来ないようです。
私が参加したときも見えませんでした。
本当の話、誰も「かぎろひ」がどんなものなのか
見たことはないのではないかと疑ってます。
私は、早朝散歩をするようになって、
いつも東の空から太陽が出る頃を見張っています。
もしかして、あれがそうなのではという光景に出会いました。
太陽が山の稜線に顔を出す少し前に
稜線に沿って細くオレンジ色に輝く瞬間があります。
しばらくすると色が段々薄くなり、しらちゃけてきて、
太陽が顔を出します。
稜線が輝くときには、薄い雲がないといけません。
上手い具合に雲があるなんてときは、めったにありません。
そして、山の稜線が細く輝く日は快晴です。
「かぎろひ」という言葉の印象から
山の稜線が細く一瞬輝くのを、勝手に「かぎろひ」と思ってます。

次いでながら、美しい朝焼けの日は必ず雨が降ります。
夕焼けの日の翌日は晴れるのですけどね。

参考までに絵画「阿騎野の朝」を貼付けておきます。
大宇陀区中央公民館所蔵(奈良県宇陀市)
私が勝手に言っている「かぎろひ」とは違いますが、
調査研究されて描かれた絵だそうです。
                                       
かぎろひ_d0107378_19474339.jpg

by noblesse_oblige7 | 2008-12-20 19:54 | etc.etc.