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多発性嚢胞腎が原疾患で透析に入って25年です。

by マーゴ

足立美術館のことなど。

この度の松江行きで、
足立美術館にぜひとも寄りたいと考えていた。
一応1人で行くつもりで、高速バスを行きだけは、予約していた。
岡山→松江・障害者割り引きの半額¥1,700。安い!!
パートナーに「足立美術館にいきたいねん」と、言ってみた。
「連れていってやろか。庭園がエエんや。世界一の庭園やで」
彼は、話に乗ってきた。
私は、しめたと、ほくそ笑んだ。
しかし、なんかひっかかるところがあった。
まぁ、それはおいといて、彼の気が変らないように
「行ってくれるんやなぁ」と何度も念を押して、催促して過ごしていた。
4/11(土)
高速に入るとすぐ、「今日は1000円ドライバーが多いんとちゃうか?
下を走った方が楽しいのに」と、ブツクサ。
「大阪の阪神高速や名神とちゃうねんで、そんなに混めへんて」
松江まで、スムーズに走れました。
松江を降りて松江駅までが大層混んでました。
11時までに、着けるのか?

11時ちょっと過ぎに松江腎クリニックに着きました。
所要時間3時間ぐらいだった。
なんやかんやで、12時半ぐらいに透析室に入れてもらえました。
パートナーには午後6時過ぎくらいに迎えにきてほしいと伝えときました。

彼は、昔はカーキチのスピード狂で、
私はどれだけ恐怖の塊になって
助手席に座っていたことか。
いまは、エコ・エコ主義に変貌して、徒歩とサイクルに凝って
殆どクルマを捨ててます。
松腎の駐車場に車を駐車させてもらったままにして、
徒歩でどこかに出かけました。

ベベタに透析を終え、午後7時半頃車に戻ると、
先に待ってました。
「どこに行っててん?」
松江に来て、堀川めぐりをしない人はアホやと言うほどに
堀川めぐりを気に入った様子の「堀川めぐり」をして、
「松江城」を登ってきたのだと。
彼はスッカリ観光モードです。

ホテルで、チェックイン後に夕食を済ますと、またお出かけ。
私は、計算違いで、500g除水し過ぎて、寒くて、
ベッドに潜り込んで震えてました。

翌日4/12。
講演までの時間。
堀川めぐりの船着き場から武家屋敷跡を巡りました。
素晴らしい武家屋敷。
私がこれまで見た武家屋敷と比較して、壮大さにびつくり。
松平家はお金持ちやったんや。
宍道湖畔。朝靄(?)に包まれて、静謐な佇まいに気分爽快。
対岸に、景観問題を起こしているらしい、
モダンなデザインの県立美術館が。
行ってみよう。

正面から見ると、対岸からは見えた、
屋根をまあるく切り取った部分がどうなっているのか解りません。
企画展・会館10周年記念展・アカデミズムか?印象派か?
「フランス絵画の19世紀」〜美をめぐる100年のドラマ〜
という長ったらしいタイトルがついた美術展をやってます。
入場は10時から。そそられますが、もちろん見ることはできません。
宍道湖は夕日が売り物のようです。
夕日スポットがありました。
夕日にかぎらず、私には朝の景色も綺麗に見えました。

午前10時。
一畑ホテルに入る。
私が講演とお食事会の間に、バートナーは車をどこかに置いて
観光三昧。
一畑電鉄に乗って出雲大社に。近くで安木節大会をしてたそうな。
一畑ホテルの正面右の道を突き当たったところに
足湯があり、午後2時半頃そこでおちあった。
さぁ、一路足立美術館へと急ぐ。

足立美術館の創設者は、大阪のどぶ池(糸へん問屋)で財をなした人。
島根に日本画の美術館をつくったという程度の知識しかなかった。
どぶ池で財をなしたとして、
美術館ももつほどのお金持ちになれるはずないと思うけど????
なんで、島根に?などの疑問は抱いていた。

<大休止をしている間に、不愉快な事件が起きて
脱力してました。まだ尾を引いてますが、
気分を奮い立たせて。。。。。> 


足立美術館のある安木まで結構遠い。
田舎の道を延々と走って、どでかい駐車場がありました。
観光バスが5、6台駐車してます。
目指す美術館の道筋脇になにやら
大きな売店(美術館本体に似つかわしくない建物)が。
それをやり過ごして、いよいよ入館。
障害者割引きで1人分で2人入場できました。2200円 
道順表示があり、はいってすぐには
愛らしい子供を描いた絵が。
私は、そんな絵を見にきたんじゃない。

飛ばして、日本画の部屋へ。 
道すがら、庭園が垣間見えます。
私の大好きな上村松園の「深雪」がありました。
現代日本画美人画全集に収載されている画家達の絵がいっぱい。
横山大観の絵を蒐集されているのが圧巻です。

知らなかったのですが、北大路魯山人と河井寛次郎の陶芸も蒐集。
私は魯山人のひととなりを好きですが、陶芸を見る目はありません。

美術館ですから、盛り沢山な美術品を、ざっと流してみたあとは、
創設者足立全康(ぜんこう)氏の詳細な経歴を眺めていました。
どぶ池時代は短く、お金儲けの天才のようで、
お金の臭いのする事業を率先展開している。見事なものです。
美術館と庭園に、思う様お金を注ぎ込むことができたことでしょう。
美術館のある場所で産まれたとのこと。
辺鄙な安木に存在する理由が解消です。

パートナーがしきりに日本庭園・日本庭園を強調するので、
じっくりと庭園観賞です。
通路から多様な趣の庭園が切り取られて見える工夫が凝らしてあります。
滝の部分が切り取られて見える場所もありました。
庭園全景が見渡せる場所も用意されてます。
借景を巧みに利用した庭園であることはすぐに察知できるのです。
パートナーはことさらに、全部が、足立美術館のものだと言張ります。
私は違う、と。
ならば、どこからが借景だと思う、とからんできます。
えっ???
あそこからやと、山の手前当たりを指して説明してみても、
いや、全部やと譲りません。 
妙な話やと思いながら、
美術館を退館しました。。。。。

美術館を出て左側に「広瀬温泉」のくたぶれた看板があり、
その下で、パートナーが「ちょっとこい」と手招きしてます。
近寄って行くと、美術館の庭園裏に続く脇道があるのです。
松並み木が続いている、木立の隙間から、ここから見てみろと。

恐れ入りました。
足立美術館から見たあの滝が、美術館の外の遥か遠くにあるのです。
えええぇ????
さらに、さらに、遠くの山の裾には、民家が立ち並んでいる。
そんな気配すら感じさせない、見事なレイアウト。
足立美術館内の庭園と思っていた部分は、物凄〜く狭い。
殆どが借景。

鮮やかに騙された。騙されに行ったような。
パートナーは、なんで知っていたのかは教えてくれません。
恐らく、鑑賞者の殆どの方々が、ご存知ないのでは、と思います。

ばらして、良かったかな。
でも、騙されに行く価値はあります。
こんな騙されかたなら、大歓迎。
足立全康(ぜんこう)氏の遊びの精神、万歳♪万歳♪
               

                     
by noblesse_oblige7 | 2009-04-17 19:20 | etc.etc.